今日は、デジタル時代にも関わらず、人気が復活しつつある習いごと「そろばん」についてです。
私は、5歳の頃から習い始め、高校1年生の終わり頃にそろばん10段に合格しました。
その後、そろばん教室でアルバイトをしてたくさんの生徒たちを見ていたこともあります。
今回は、自分の経験も踏まえてながら、習いごとに「そろばん」をおすすめする理由を書こうと思います。
計算力アップ
まずは当たり前、というところから(^^)
そろばんを習い、級が上がれば当然のことながら計算力が上がります。
それは、学校生活の中で、算数や数学の問題を解くにあたりあらゆる場面で役立ちます!
例えば、筆算のかけ算やわり算を見直すとき、同じ筆算で見直しても同じように間違えてしまうことがあります。でも、検算(計算に間違いがないか確かめるためにする計算)をそろばん式の暗算でやることで、間違いを見つけやすくなります。
分数の約分も、暗算が出来れば本当に楽。
中学・高校に入り、xやyやnやm…色々な文字が出てきたときにも、計算や検算が早く出来ることは大きなアドバンテージになります!
邪道ですが、上手く解が出せない時には予想されそうな答えをガンガン入れて力ずくで解を求めたこともありました!
仕事でももちろん役立ちます。ちょっとした計算は電卓、がっつり計算はExcelだったりシステムにお任せできる時代ですが、過信しているととんでもないミスにつながることがあります。そろばんで付けた計算力は「アレ?」と思える数感覚を育ててくれます。
何も手持ちがないときに見せる計算力が、信用を高めてくれることもあります。
買い物のときの計算や、飲み会の割り勘にまで力を発揮します。
計算力があると本当に便利!
長い人生の様々な場面で活躍することを、自分自身実感しています。
脳力アップ
脳には左脳と右脳がありますが、左脳は主に言葉や計算、論理的思考をするときに使われ、右脳はイメージや芸術的感覚を持つときに使われると言われています。
そろばん教室に通い、そろばんを使った計算の仕方を一通り覚えると教わる「暗算」。
そろばんを頭に浮かべながら計算する方法ですが、このそろばん式の暗算をしているときは右脳が働いているのです。
珠算式暗算は、そろばんの玉をイメージ化して、頭の中に浮かべます。そして、それを実際のそろばんと同じように動かして計算をするのです。
この玉をイメージする場所は、右脳の後頭部のところにつくられます。
この場所は、子供の時にしかつくることができませんが、1度できると、その場所は生涯にわたって存在していつでも使うことができるのです。
筆算式暗算は左脳、珠算式暗算は右脳を使います。
今までの大脳生理学では、すべての計算は左脳で行われていると考えられていました。しかし、日本医科大学の品川教授の発見により、珠算式の暗算だけが右脳で計算していることがわかり、世界中の研究者を驚かせました。
(日本フラッシュ暗算協会ホームページより)
上記以外にも、そろばんと右脳に関する研究が色々なところでされており、実証されているようですね。
日本珠算連盟ホームページにいくつか掲載されています。
そろばんと脳とコンピュータ そして科学のゆくえ|日本珠算連盟
そろばんを脳のスポーツと言う人がいますが、その通り「暗算」は計算力のみではなく脳力も鍛えているのです。
大きい桁をパッと見で分かるようになる
社会人になってから、桁の大きい数字を見ることが多くなりました。特に予算だとか見積もりだとか…
そんな時に数がニガテな同僚が桁を読むのに苦労していたことを覚えています。
例えば
¥10,000,000
なかなかパッと見て一千万と分からなかったり。
「何でコンマが3桁ずつ付いてるわけ!!」とキレていたり(^_^;)
そろばんには3桁ずつに定位点が付いています。
見取り算(ひたすら足し算と引き算を行う計算)のときには、コンマと定位点の位置を合わせて計算を進めるので、コンマが3桁ずつ付いていることに慣れることが出来ます。
また、3級で6桁(10万の位)、2級で8桁(1000万の位)の足し算、引き算を行います。(日本珠算連盟の検定試験の場合)
この級まで続けていれば、6桁、8桁の数字を、見慣れることになるのです。
さらに読み上げ算などを経験していれば、大きな桁でもパッと置く位置を判断する必要があるので、桁数の多い数を読む力はますます高くなります。
集中力アップ
そろばんの検定試験は、決められた制限時間内に「素早く」「正確に」計算しなければなりません。
例えば、娘が通うそろばん教室の検定試験。
準2級は下記のような問題を制限時間10分で行います(一科目)。
短時間で目標の題数に到達するため、また正確に計算するため、その時間内はわき目もふらずに指を動かすことに集中します。
出された答えも早く正確に書かなければなりません。
そろばんはその繰り返しなので、集中力はかなり付いてきます。
自分自身、その集中力は、学校の試験や受験ではもちろんのこと、短時間で仕上げなければいけない仕事に出会ったとき、存分に発揮されたように思います!
履歴書に書ける資格が取れる
習い事のなかでも、胸を張って履歴書に記入できる資格です。
計算力とともに、机の上でコツコツと集中した作業ができる人だろう、という見方をしてもらえる資格でもあります。
私自身、就職活動時、自由にアピールできるスペースがある場合には、学生時代の成功エピソードとそろばんを通して得られたと思われる能力を紐付けて印象付けたりしていました。
挫折、達成を繰り返す経験が得られる
そろばんは、始める学年・そろばん教室にもよりますが、18級くらいから始まります。
10級あたりからは、級に合格すると新しい計算方法を学び、次の級の練習問題に入ります。
今まですんなり出来たものが出来なくなったり、やり方がなかなか理解できず大変な時期を経験します。
そして、理解が出来ても問題が難しくなっているのでなかなか点数が取れない。
私も、5級・4級のときに塾内の検定試験で見取算0点を取った記憶があります。ショックが大きかったので覚えているのでしょう(^_^;)
でも、それを乗り越えて練習を継続すると次の級にも合格することが出来ます。
そろばんは、細かく級が刻まれていますので、その経験を何度も積むことが出来ます。
挫折→達成感の繰り返しによって「つまづいても努力すれば乗り越えられる」という実体験を得られることは、大きな自信につながります。
そして、あきらめない力につながります。
加えて、向上心を持つことにもつながっていくと思います。
私は検定試験以外にも様々な競技会に参加し、入賞していました。
合格したり入賞したときの喜びがクセになり、小学校高学年あたりからは「もっと上に行きたい!」「もっと上位に入賞したい!」という向上心の塊になっていたような気がします。
それは、そろばんだけでなく学校の勉強や他の習い事にも活かされていきました。
その他にも紹介されている能力
上の6つは、私の経験も踏まえて「特に感じているそろばんの効果」です。
全国珠算教育連盟や日本珠算連盟では、他にも色々な効果がありますよ、ということを紹介しています。興味のある方はぜひ確認してみてください(^^)
そろばんのチカラ|そろばんを知ろう|公益社団法人全国珠算教育連盟
そろばんの級を取得する過程で得られる能力は、得られる資格とともに、自分にとって大切な財産となるのです。
まとめ
今日は、習い事にそろばんをおすすめする理由を、そろばん10段まで取った私の経験を踏まえて書きました。
履歴書に書ける資格とともに、様々な能力を身につけられるそろばんは、AI時代にも役立つ習いごとだと思います。
↓もう一つそろばんの記事です。
↓以前書いた、娘がそろばんにつまづいたときの話です。