うちの小3になる長女は、幼稚園生のときから「画家になりたい」と夢を語っています。
たしかに絵は上手い(ような気がする)けれども、毎日絵が好きで好きで暇があったら絵を描いているだとか、画風が好きな画家がいるだとかそういうことは全く無く。
ただ「画家になりたい」と一度言ってしまった手前、言い続けてみるか、といった感じです(^-^;
とは言え、親として娘の進路についてアドバイスできるような引き出しを持っておきたいと思い、手に取ったのがこの本。
芸術にめっぽう疎い私の発想としては、「画家」と言えば「美術」、「美術」と言えば「美大」、美大の最高峰と言えば「東京藝大」という安易なものでした。
この本は、妻が藝大生という男性が、実際に藝大に訪れたり、藝大生にインタビューをして見えたもの、感じたものを記したノンフィクションなのですが・・・
あまりに一つひとつの風景、一人ひとりの行動が個性強すぎ!!
紹介されるすべてのエピソードが、私の理解を越えています!
まず、東京藝大というところは美術学部と音楽学部に分かれているのですが(→こんな基本的なことすら知りませんでした(^-^;))
特に美術学部の方々の作品に対する執着、集中力が理解を越えすぎて驚きの連続でした(理解できないので天才的なのか変なのか私にはまったく判断できません)
例えば、ルーブル美術間でサモトラケのニケという彫刻を5時間以上見つめ続ける著者の妻や、荒川に楽器を鎮めて、さび付いたところで引き上げて展示や演奏をしたら面白いんじゃないかと画策する生徒、ラピスラズリを削って練ってゼロから絵の具を作る油画専攻の生徒など。
私にとっては「?」の連続です(^-^;
音楽学部の方は、「そんな学部あるんだ!しかも人数!!」というそもそもの部分に驚きました。器楽科打楽器専攻一学年3人、とか(^-^;
国立大学だけどお金はかかりそう
親として気になった部分は、国立大学だからと言って金がかからない訳じゃないのねということ。逆に、めちゃめちゃお金がかかりそうです。
美術作品を作るための材料、道具。音楽コンクールに出るための金額、衣装などなど。突き詰めるからこそ妥協が出来ない世界がそこにはあるのですね。
自営業の家に生まれ常にコスパを求める生活を送り大学では経営学科で学んだ私は、最も対局にいるような気がします。仕事もプライベートも常にバランスと最適解を探してきた。
そういうことに価値を見出さない世界があるんですね。面白いなぁ~。
そして、アーティストとしてやっていける人はほんの一握り(この本の言い方だと、ほんのひとつまみ)で、就職する人はほんの1割程度で進学4割、それ以外は行方不明だと言います(゚Д゚;)
あ、でもAmazonの本のレビューに藝大出身者という方がコメントを載せていて「同窓会に入っていないから、私も行方不明にカウントされていると思います」と書いていたのでちょっと安心しました(^-^; その方が「以前勤めていた学校で~」ということを書いていたので、きっと先生か学校関係のお仕事をされていたんですね。
「東京藝大」という進路
で、本を読み終えて。親として、娘に敢えて藝大を「勧める」ということは無いかな、と感じました。
あ、そもそも実力の問題があったか(^-^;
すみません・・・。
でも、毎年9月に行われるという藝祭は面白そうだから、家族で行ってみたい!!と思いました。